人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

性指向暴露禁止する条例可決 都道府県で初/三重/毎日jp

 三重県議会は23日、LGBTなど性的少数者であることを本人の許可なく第三者に暴露する「アウティング」や、カミングアウトの強制を禁止する条例案を全会一致で可決した。当事者を傷つけ、人間関係や就労環境が不安定になる不当な行為をなくす狙い。アウティングを禁止した条例は、東京都国立市などが施行しているが、都道府県では初めて。施行は4月1日。
 条例は目的を「性の多様性を認め合う社会の実現」と掲げ、性的指向や性自認について「本人の意に反して正当な理由なく暴露してはならない」「性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」と規定した。県民にはそうした差別のない社会の実現に努力し、県の施策に協力するよう求め、県内の市町や教育機関には必要な措置を講じるよう努める役割を明記した。いずれも罰則規定は見送った。
 また県として「性的指向や性自認にかかわらず、誰もが地域に根ざし安心して暮らすことができる環境づくり」の施策につとめると規定。
 9月には、性的少数カップルを婚姻相当の関係と認める「パートナーシップ制度」の要綱の施行を目指すほか、性の多様性に関する電話相談窓口を4月に開設し、10月にはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で相談を受け付ける態勢も整える。
 同性カップル「ほっとした」
 本会議での採決を傍聴席から見守った伊賀市の同性カップル、加納克典さん(41)と嶋田全宏さん(45)は可決の瞬間、安堵の表情を見せた。
 嶋田さんは「ようやく性的少数者を前提とした街づくりが始まる。大きな一歩だ」と喜んだ。加納さんは「ほっとした。条例を知ってもらうための活動を進めたい」と決意を新たにした。
 条例成立後、記者会見した鈴木英敬知事は「多様な生き方を認め合う三重県にしていく新たな一歩を踏み出す日。条例が県民の安心の礎となり、幸福の実感につながるよう、着実に取り組む」と述べた。

名張市人権センター

〒518-0775 三重県名張市希央台5番町19番地 名張市市民情報交流センター内
TEL:0595-63-0018 FAX:0595-63-5326 e-mail: