11月8日(金)15:00から名張市勤労者福祉会館 2階大会議室において、講師に大阪企業人権協議会 人権研修講師 堀井悟さんをお招きして、2024年度名張市人権啓発企業研修会『~人材は「育てる」ではなく「育つ」もの~個別で最適なこれからの人材育成~』と題してご講演いただきました。
冒頭、堀井さんから、働く場においての「職場の人権問題」や「人材育成」「ハラスメント問題」に係る課題が多くあるので、今日は具体的な解決につなげていただけるようお話いたします、というお言葉をいただききました。
最初は,「学ぶ」とはいかに自分が知らざるかを知ることです。無知(知らなかったこと)、無自覚(誰かがするだろう)、無関心(自分には関係ない)、偏見(偏ったものの見方)に自分がどれくらい気付いているか考えてくださいと話されました。そして「白杖を街中で頭上に掲げています。何をしているのでしょうか。」と問われました。「正解は頭上50㎝に白杖を掲げているのはSOSのサインです」気付かないと尊重も配慮もできません。今日覚えた事は、誰かに伝えて下さいと話されました。
次に「人権」とは、社会において幸福な生活を営むのに必要な人間としての固有の権利、人として幸せに生きる権利であり、自分も他人もかけがえのない存在であることを知ってほしいと話されました。
そして、「ハラスメント教育」について懸念される事として、部下を叱れない管理者が増加している事です。個人的なことを聞いたり、叱ったりするとすぐにハラスメントだと言われてしまうという現状について、話されました。パワハラの判定にあたって、「明確な根拠のもとに、筋道の通った指導・注意等であれば通常はパワハラには該当しない」叱る事をおそれてはダメ、指導が必要な時は叱ることが必要ですと話されました。言った、やったことが業務として説明できるのは適正な業務の範囲内ですが、業務として説明できない暴言・暴行、人権侵害はパワハラにあたります。加害者の多くは、自分のしたことがハラスメントだとは思っていない、現実的でない非合理な思考を抱いていることは、認知のゆがみです。「部下の躾ためにおこなっているだけなのに、なぜ自分だけ処分されるのか、他もやってるのに不公平だ。」と、日本では理解・納得できないまま処分されることもあるそうです。欧米では、①更生カウンセリング・②再研修(外部に依頼)などが義務化されています。実務に役立つハラスメント研修が、必要であると話されました。
さらに、「良い人間関係の維持」について、コミュニケーションが必要ですが、言葉の統一が出来ていないとうまくいきません。コミュニケーションとは、話す事、聞く事ではなく、意思や情報を相手に伝え、相手が動いていることです。例えば「〇▢の件は、18日までに全員が調査し報告してください。」という案件で、調査の意味は数字と論理で事実を確定することですが、上司も部下も、言葉の意味が合わないと結果はバラバラになります。言葉の統一が、上司と部下のコミュニケーションをとるのに必要であると話されました。信頼の構築で一番大切なことは約束を守ること、部下は報連相をまもることで、例えば、部下から要望を受けた時に、管理者はイエス・ノーをハッキリ伝えることが大切です。ビジネスでの対話は、単なる会話でなく約束事をつくることで信頼関係が生まれます。
最後は、「部下の管理能力の育て方」について、①事実をつかませる。代行者の分析能力アップ(面倒な問題の処理解決する訓練)、②上役と接触させる。代行としての自覚・信頼。(権限移譲し、代行者に自信をうえつけさせる)、③実行案をたてさせる。激励し考えさる。(確かな判断をする習慣づくり)、④部下をつけ、指導させる。代行者の指導力を強化⑤指導をさせる。職場の仕事の全体把握(自分で考え、監督し、事実をつかみ、問題処理を経験させる)についてお話しされました。そして、ドラッカーの名言「新しい経験ほどすばらしき教育者はいない」を紹介されました。
「2024年度名張市人権啓発企業研修会」人材は「育てる」ではなく「育つ」もの~個別で最適なこれからの人材育成~について、講師の堀井さんは、資料をもとに具体的に分かりやすく丁寧にお話していただきました。インプットしたことをアウトプットしたいと思います。本日はありがとうございました。参加者の皆さんありがとうございました。
【参加者のアンケート】
・分かりやすくお話しいただき、理解しやすい研修で良かったです。Yes・Noをきちんと伝える、言葉の統一を意識するなどすぐ実践できるところから取り入れていきたいなと思いました。
・大変具体的で分かりやすい内容であった。人権を互いに尊重し職員も自身も尊重していけるようにしたいと思った。
・Z世代の年代の育成には、色々と考えるところがあります。永く勤めてもらう為、まずは挨拶を重ね、コミュニケーション(会話)をしていきたいと思います。
・わかっていそうでわかっていないことを再認識させて頂きました。自社の人材育成に活かし部下との関係づくりをしたいと思います。
・わかりやすくテンポ良い講義でした。人権だけでなく、人材育成にも役に立つ内容でした。明日より実行していきたいです。