人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2024年度人権相談力アップ研修会を開催しました!!

10月29日(火)14:00から名張市勤労福祉会館 2階大会議室において、講師に反差別・人権研究所みえ 事務局次長本江優子さんをお招きして、2024年人権相談力アップ研修会「LGBTへの理解を深める~わたしたちにできること~」と題してご講演いただきました。


 最初に本江さんは、「人権」とか「差別」を誰かに問われた時、自分ならどう答えるのか考えておいてくださいと言われました。「1948年世界人権宣言第1条第2条第3条 安心して暮らす、結婚も離婚も二人で決める、社会保障を受ける、自由に豊かに働ける、自分の意見を伝えられる、教育を受ける、これらが差別のない状態です。すべての人は、生まれた時から差別を受けない権利を持っています。」と話されました。また、世間が考える「男らしさ」「女らしさ」について。「らしさ」とは「世界保健機構(WHO)による定義」によると、特定の社会が男性および女性にふさわしいと考える社会的に構築された役割、態度、行動、属性を指すもので、良い悪いの価値は含むものではなく、課題意識を持っているかが大切ですと話されました。


 次に、セクシュアリティ(性のあり方)についての基本的な捉え方の確認をしました。性を構成する要素として、①からだの性(生物学的性)、②こころの性(性自認)、③好きになる性(性的指向)、SOGI(ソジまたはソギ)は、セクシュアリティ(性のあり方)の尺度、基準として、誰もがもっているもので、特定の集団をさすものではなく、自分で決定するものです。
一人ひとり持っているセクシュアリティ、SOGIから性のあり方を考えましょうと話されました。LGBTQ+は日本に9.7%、10人に1人(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBTQ+調査2023」)で80歳以上の高齢者数10.1%とほぼ同数である。根拠のないことや理由もないことを確かめもせず、多くの人が「ふつう」「あたりまえ」と思っていることについて、自分ではおかしい変だと思っても合わせておかないとまわりの人になに何か言われそうでと思ってしまうことが、本当に正しいことなのか考えてくださいと話されました。
 次に、ある例についてともにに考え合いました。「3人の女性の会話。1人が恋人が出来たと話す。それに対して1人が彼氏はどんな人?とたずねた。この問いかけに感じることは?」という内容。特に違和感がないと思うか、いきなり彼氏のことを聞くのは失礼と思うか、恋人=彼氏と決めつけていいのかと思うか。身近にLGBTQ+の人がいるか、LGBTQ+だとカミングアウトされたとき、あなたはどうしますか等、日頃から我がこととして考えていることが大切であると話されました。
 次に、調査結果から見るLGBTQ+に関する現状。三重県「人権問題に関する三重県民意識調査2023報告書」によると、「親として子どもがLGBTQ+だったら力になる」と回答したのが6割、「同性婚を認める」と回答したのが5割でしたが、年齢があがるにつれて反対する人の割合が増える傾向があります。P&Gジャパン「LGBTQとアライに関する全国調査2021」によると、言葉の認知度「78.3%」、身近にLGBTQの人がいるのか、「いない41.7%」、「わからない49.8%」、LGBTQの人が感じていることとして、「自分らしく生きられない44.9%」、「生きづらいとして感じるコミュニティ」として、学校、職場、家族があげられました。認定NPO法人ReBit「LGBTQ子ども・若者調査2022」では、学校での困りごとが70.7%。そのうち33.6%教職員が要因となっています。
不登校経験(中22.1%・高14.9%)転職・就職での困難やハラスメントでは、LGBTQの人が35.7%、トランスジェンダー75.6%の人が困難やハラスメントを受けています。


 最後に、一人ひとりが生きやすい社会のために。今の社会の意識・価値観・知識・認識・規範・建物はマジョリティが作り上げた社会で、マジョリティにとっては空気のようなものであるが、マジョリティは自分たちが「有利」で「権力」をもっていることに無自覚なので、差別を容認し、加担してしまっています。権力をもつマジョリティが社会を変える=差別をなくす責務を負っているいることを気づこうとする、知ろうとすることが大切です。
 互いの人権を尊重し合う関係性をつくるためには、自分の中にある”あたりまえ”、”ふつう”を振り返り、だれも排除「されない、しない、させない」ことが、大切です。すべての人が、「どのような生き方、振る舞いを選択しても、それが尊重され、受け入れられ、生かされる社会へ」向けて、Diversity(多様性) Equity(公平)&Inclusion(包括)を考えることが重要であると話されました。
 「2024年度人権相談力アップ研修会」~LGBTへの理解を深める~私たちにできること~について講師の本江さんには、データーをもとに具体的に分かりやすく丁寧にお話していただきました。自分を見つめ直すいい機会になりました。本日はありがとうございました。参加者の皆さんありがとうございました。

「参加者のアンケート」
・LGBTQ+について、基本的な情報、考え方を再認識することが出来ました。LGBTQ+の研修から少し離 
 れていたので、もう一度学ぶためのよい機会となりました。とても大切なお話、これを子どもたちに
 伝えられるよう、学びを深めていこうと思います。
・差別しようとは全くおもっていなくても、「ふつう」「あたりまえ」を思って話すこと、行動するこ
 とで、傷つけてしまうことがあることに改めて気がついた。特に学校現場で傷ついてる子(人)が多
 い。以前「隠れたカリキュラム」と言われたが、何気なくしている事が、差別につながることも意識
 して取り組んでほしい。
・分かりやすい研修でした。研修を通じて自分自身を見つめ直す事が出来ました。



 

 

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