人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2024年度人権ワークショップ課題別講座③を開催しました!!

 10月24日(木)午後4時から名張市教育センター大研修室において、講師に大阪聖和保育園事務局長森本宮仁子さんをお招きして、2024年度人権ワークショップ課題別講座③「~子どもや保護者の人権を大切にした園・所内での実践~」と題してご講演いただきました。

 最初に「保育とは、『基礎を培う』ことです。」と話されました。「種を植えて最初に出るのは、何ですか?」と問いかけられました。根が先で、根を育てることは就学前で、環境によって育ち方が違います。保育とは、目に見えないものを培うことで、非認知能力(目に見えない感情や心の動き・数値化できない能力)を育むことと同じです。「子どもの人権と保育」とは、「一人一人違う自分を実現する、生まれながらに持っている権利」を「尊厳する保育」だと話されました。
 次に「子ども一人一人に対する保護者の思い」について話されました。「価値愛」とは自分に価値のあるものを愛する、自分の欲するものを得ようとする自己愛(自己中心)です。価値観に気づくことやアサーション(さわやかな自己主張)の良さを学ぶことが大切です。「他者実現愛」とは、あなたとしての育っていくことを愛する、その人の存在を喜び、その人の幸せや向上のために献身的に尽くす(他者中心)です。家族や地域も含めた環境のなかで、育ちたい方向に育っていくという事を支援することが大切です。「子どもの課題」は、なぜ、走りまわるのか・なぜ、じっとしているのか・なぜ、友だちをたたくのか。本人の困り感は何かを探り、子どもがなぜそのようにするのかを考え、課題を見つけて対応するのが保育であり、家の責任ではなく、保育士との関係で起こっているという自覚が必要であると話されました。


 次に、実際にあったエピソードをもとに、二人一組になって、 ①「いや、やめてって言われているのに」②「不安な気持ち」のワークを行いました。それぞれの考えを話し合い、発表もしていただきました。とても熱心に取り組んでいただきました。
 最後に、子どもの人権についてまとめられました。保育者は、子どもや保護者を理解しようとする姿勢を持ち、そこで得た理解から自らの保育を改善し、子どもや保護者との信頼関係をさらに深めていくというこの一連の流れを繰り返し成長しながら保育を続けていくことが大切なことであるとお話されました。
 「人権ワークショップ課題別講座③」~子どもや保護者の人権を大切にした園・所内での実践~について講師の森本さんには、幼児教育や保育の根幹となる大切な考え方や実際の貴重な実践について、大変具体的でわかりやすく、今後に活かせる内容のお話をしていただきました。また、ワークショップにおいては、実践に関する具体的な場面についてのグループワークもあり、楽しく学ばせていただきました。本日はありがとうございました。参加者の皆さんありがとうございました。

【参加者のアンケート】
・事例をふまえたワークショップがとてもわかりやすく、自分の保育対応、子どもに対する向き合いか 
 たにつながりました。「自分の保育のまずさを認め親に伝えること」、自分に向き合い素直になるこ
 との大切さを教えられました。
・森本先生の話はとてもわかりやすく実践に役立つ話ばかりで大変勉強になりました。今まで目に見え
 ることばかりに目がいっていたので、これからも目に見えない気持ちの部分を育てる保育をしていき
 たいと思います。
・とてもわかりやすい研修でした。自分の保育や人権意識を振り返るよい機会となりました。こうした
 エピソード研修を自分の園でも取り入れ、ともに保育を進めていく仲間としてさらにつながっていき
 たいと思いました。

名張市人権センター

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