10月19日に吉田田タカシさんの講演会を開催しました。
吉田田さんはグッドデザインアワード2022大賞を受賞した「まほうのだがし屋チロル堂」(生駒市)の共同代表、登校拒否から大人が学ぶ楽しい革命「トーキョーコーヒー」の代表をされています。
ほかにもアートスクールの運営やデザイナー、バンド活動など多方面で活動されています。
今回吉田田さんには、取り組んでおられる活動についてや、なぜ活動を始めようと思われたのか、今の仕組みを思いついた時のお話などをしていただきました。
50名を超える参加申し込みがあり、あえてランダムに並べた机と椅子がすべて埋まりました。
みなさん吉田田さんのお話が始まるのをとても楽しみに待っておられるのがよくわかりました。
最初に、吉田田さんが子どもに関する活動を始められたきっかけについてお話をしてくださいました。それは、アートスクールの運営や大学での講義の中で感じた、「今の教育の仕組みの中にある問題」がきっかけだったそうです。知識だけを増やすのではなく、それ以上に体験機会を増やして、自分で何かを生み出す力を身につけなければ、変化する時代の中で子どもたちがこれからの社会を作っていくことができないと感じたそうです。そのためには、偏差値や最終学歴などではない、数値化できない力こそが必要不可欠で、その考え方を変えるためには、まず、大人の思い込みや価値観を変えなければならないと気づいたそうです。
その思いからうまれたのが、まほうのだがし屋チロル堂やトーキョーコーヒーです。
まほうのだがし屋チロル堂はデザイナーの側面を生かしてこども食堂の仕組みをリデザインしました。入口を子ども食堂からだがし屋にすることで誰でも来れる場所にし、子どものプライドを守ることができています。
「トーキョーコーヒー」は登校拒否のアナグラムで、ネガティブな要素ばかりではなく、大人が楽しみながら価値観をアップデートすることで、子どもも自然と笑顔になり「自分は存在していいんだ」と思う力を育む場になっています。
「自分だったらどう感じるか」「ここをこう変えればもっとうまくいくのでは」と考えているからこそ、それぞれの活動が全国的に広がっていくんだと思いました。
吉田田さんの言葉から
「指示を与えるのではなく一緒の目線に立って考えること」
「自分たちで決めて自分たちで作り上げる力が大切で、たとえ失敗しても自分たちの方法で最後までやり抜いたことをほめる」
「苦しいはズラせば楽しいに変わる」
「(親子は)血は繋がっていても人生はつながっていない」
これれらの言葉は、チロル堂やトーキョーコーヒーの活動をされているからこその力強さがありました。
今回の講演会にはこれから何か活動を始めたいと思っている方や、子どもの問題に関心のある方、今活動を既に行っている方など、さまざまな方が参加してくださいました。
吉田田さんのお話は分野を超えてみなさんの心に響いた内容でした。
会場の設営からお手伝いしてくださった吉田田さん
終了後片付けをお手伝いしてくださった参加者のみなさん
ありがとうございました。
全員で作り上げた講演会だったと感謝しています。
<講座後のアンケートから>
・名張でトーキョーコーヒーをやしたい。
・子育てに悩んでいる人、学校にいけない子が集まれる場所を作りたい。
・子どもの体験活動や経験活動ができる場を作りたい。
・今日聞いた話を多くの方に伝えたい。ムーブメントを起こしたい。
・私は相談にのる専門の知識がないので、アドバイスはできないけれど、孤独にさせないことはできると思いました。
・学校・職場以外に子どもも大人も一緒に活動できる場が必要だと思いました。