人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2024年度人権ワークショップ課題別講座②を開催しました!!

 

 8月19日(月)午後1時30分から名張市教育センター大研修室において、講師に名張市地域福祉教育総合支援ネットワーク エリアディレクター、元校長、元児童相談所所長の西口成貴さんをお迎えして、「虐待・ヤングケアラー・不登校等の把握と支援」について、講演していただきました。
 最初に「 児童虐待と思ったら迷わず189番に電話してください。24時間対応していますので」と話されました。
 次に「エリアディレクター」について、教えて頂きました。名張市ネットワークは3層構造になっており、小学校校区14の地域のまちづくり協議会で、地域の課題を地域の人材で解決する。解決できない場合は、「社会的処方」による支援機能であるまちの保健室には、地域マネジャー(地域環境部)が常駐しており、地域づくり組織と連携して地域の課題を解決していく。解決できない場合は、多機関協働による包括的相談支援で、「高齢、障がい、児童、生活困窮、教育」の各分野の専門が1人ずつおり、解決に向けてのシステムを作っていくのが、エリアディレクターです。「このシステムは、名張市独自のものです。」と話されました。
 次に「児童虐待の防止等に関する法律」、第五条(児童虐待の早期発見)、第六条(通告)、第七条(情報源の秘匿)についてお話されました。児童虐待の相談体制として、二つの相談体制「家庭児童相談室」・「児童相談所」の役割について、そして、ネットワーク「要保護児童対策地域協議会」について教えていただきました。児童虐待は、しつけとは異なり、子どもの成長と人格形成に深刻な影響を与えるものです。「身体的虐待」、「性的虐待」、「ネグレクト」、「心理的虐待」の4つのタイプがあります。それぞれの実例をあげてわかりやすく説明していただきました。「日々接している子どもたちのいつもと違う様子や言動など『おかしいな』と思ったらためらわず相談・通告をしてください。」と話されました。
(最寄りの連絡先【児童相談所】伊賀児童相談所 TEL:0595-24-8060
              【名張市役所】子ども家庭室 TEL:0595-63-7594)

 次に「ヤングケアラー」についてお話しされました。名張市では、2021年に「名張市ヤングケアラー支援の推進に関する条例」が制定され、調査の結果28件のヤングケアラーがいることがわかりました。「1日5時間以上兄弟の世話をすることをヤングケアラーといいます。ステップファミリー(少なくとも一人の親が、その親の実子でない子を含む家族)、多子家族(子どもが3人以上いる世帯)が名張市では多い」と話されました。また、高校生では、今まで自分のためにアルバイトをしていたのが、コロナ禍で親の収入が減り、家庭のためにアルバイトをする人がいたり、親の代わりに家事を担う人がいます。子ども自身が家の中でのことを自分でするのが当然だと思っているから、ヤングケアラーを発見しにくい。子どもや保護者も、自分のことは自分でしなければいけないと思っているので、公的支援を受けないことが多い。本人の状況を認めたうえで、「いつでも助けを求めてもいい」ということや、「自分の人生を生きてもいい」ということをしっかりと伝え、他の選択肢もあるということを示すことが重要ですと話されました。
 次に「不登校」についてお話しされました。長期欠席者の中のカテゴリーに不登校があります。不登校になる要因として、「学校における人間関係」、「あそび・非行」、「無気力の傾向」、「不安の傾向」、「その他」などがあげられ、一人ひとりの子どもに応じた対応をすることが大切です。と話されました。

 「人権ワークショップ課題別講座②」~虐待・ヤングケアラー・不登校の把握と支援~について、講師の西口さんには、いろいろな事例をあげてていただき具体的にわかりやすくお話いただきました。本日はありがとうございました。本日の講座で学んだことを実践していきたいと思います。参加者の皆さんありがとうございました。

【参加者のアンケート】
・事例をたくさん紹介してくださり、よくわかった。ショッキングな写真、事例がたくさんあり、見ようとしなければ見えない実態がよくわかった。伊賀・名張地区の事例があったのが、遠い所でなく身近なこととして、自分がしなければいけないことがよくわかり、身のひきしまる思いでした。
・現在、学校現場において、大きな課題となっている虐待やヤングケアラーの把握や支援について、ご自身の経験をふまえて、具体的にお話をして頂けたことがよかったです。子ども一人一人をどのように見守っていくのかということが、よく考えていけるようになりました。
・家庭環境が厳しい子どもが、周りに助けを求められない、それが当たり前だと思って誰にも言えないなど、子どもを救えないことがとても辛いと思いました。教師として勉強面だけでなく、生徒の生活面にもっと気をつけて見ていこうと思います。
・名張市における様々な実態を教えていただきありがとうございました。実際の虐待など写真で説明されたり、名張市のしくみなど取り組みをあらためて知ることができました。常にアンテナを立てて子どもたちや保護者のことを見守っていきたいと思います。

名張市人権センター

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