人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2024年人権ワークショップ課題別講座①を開催しました!!/名張市

7月25日(木)午後1時30分から名張市教育センター大研修室において、講師に思春期保健相談士中谷奈央子さんをお招きして「2024年度人権ワークショップ課題別講座①~生きる力となる性教育を子どもたちに~」を開催しました。前半は、講座・後半は、ワークショップをしました。

 前半の講座で、中谷さんは、「性教育は安全教育、健康教育、人権教育だと思っているので、堅苦しく考えないで気楽に学んでほしいと思います。私自身養護教員の頃、困ってから、起こってから、傷ついてから、生徒が保健室に相談に来てくれるまで、気づかないことが多くありました。そのことを反省しながら、今思春期保健相談士をやらせていただいてます。」と話されました。

 「そもそも性教育とは何ですか?」と教職員や保護者の方に質問すると、「「ハードルが高い、苦手だと思っている、まだ早いんじゃないと思っている」と答えられるそうです。「日本の性教育は、他国に比べて遅れています。学校でもしっかり教えて欲しいと思います。子どもたちの現状、文部科学省令和4年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果」より、問題行動や社会問題の背景に性の問題が関連していることもあると私は思っています」と話されました。また、性のことは意識していないと見えてこない。気づきにくいからこそ、もしかして性の問題が関連していないかの視点をもってほしいと話されました。
 次に内閣府調査では、性暴力被害若者の4人に1人が”遭ったことがある”、被害に遭った場所の最多は「学校」という結果には非常に驚かせられにます。「学校は安全な場所」であるべきですが、だれでもが被害者にも加害者にも傍観者にもなり得ます。性でも家族でも多様な人間で、特別の人の話でもなく性問題は皆の話の事として考えていくことが、人権教育でもそうですが大事だと話されました。自分にはどのような権利があるのか、その権利を脅かすものへの対処を知る・考える教育が必要であり、子どもたちにはいろんな権利があることを知っていくことが大切だと話されました。
 次に世界に大きく遅れた日本の性教育には、「はどめ規定」があり指導することが出来ないものもあります。この「はどめ規定」をなくすべきと思っている人は88%、保護者の8割以上が、学校で学んでもらいたいと考えています。性教育を行った学校の先生からは、「大人が心ひらいて真剣に話すことによって子どもが安心して話をして相談してくれることが増えました。」と話されました。性教育は授業だけでなく、教室、保健室、図書館、廊下トイレなど子どもたちの目に触れる場所に紹介、配布物、書籍などを日常に取り入れることも必要だと話されました。

 後半はワークショップをしました。ワークのお題が2つだされて、グループで話し合われました。
お題①・②について話し合われ、その後も、代表の方から発表していただきました。
お題①は小4の保健の授業「思春期の体の変化」

お題②は中2の学年集会「SNSで裸の写真を送ってと言われた」

 「人権ワークショップ課題別講座①」~生きる力となる性教育を子どもたちに~について講師の中谷さんには、とてもわかりやすく性教育の大切さについてお話をして頂きました。本日はありがとうございました。本日の講座で、性教育は命の教育であることを学ばさせて頂きました。暑い中、参加者のみなさんありがとうございました。

【参加者のアンケート】
・中谷先生がはじめに言われた「性教育は安全教育であり、健康教育であり、人権教育であると思っている」という言葉が今回の講座を聞く中で改めて実感しました。ワークの中で、他の先生方と実際に授業や集会でどんな話をするかと考える中で、今の子どもたちの実態や、自分では思いつかなかったような視点など知ることができて良かったです。ありがとうございました。
・お話の内容が大変分わかりやすく、他の人権学習とつながる部分が良く理解できた。しっかり教えないとまちがった知識をもったままではなくならない差別と同じであり、家庭・学校・地域が一体となって取り組んでいく課題であると感じました。
・性暴力は見えにくい。子どもたちを守るために、このような研修をもっと受けたいです。日々の中でとりめくることが、たくさん見つかりました。必ず学校に戻って、他の先生方にも伝え、実践していきます。本日は本当にありがとうございました。

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