10月04日(水)午後2時から名張市役所大会議室において、講師にNPO政策研究所専務理事の相川康子さんをお招きして、「2023年度人権啓発まちづくりリーダー養成講座」を開催しました。
28年前阪神淡路大震災の後にできた防災対策がそのままで、いまだに「防災」は男性の仕事と考えられ、男女共同参画や多様性の部分においては、何も変わっていないのが現状です。
大規模災害で自分が被災するということは、災害によって突然に日常が奪われる事です。被災することによって、生活の足がかりが全くなくなり、生活を再建することが難しくなります。日頃から防災教育をうけることが大切です。また地域の取組も必要となってきます。少子化高齢化や世帯の変化で、95年以降作り上げてきた防災にも限界が来ています。平日日中に災害が起きた場合、地域には限られた人しかいません。普段から女性も、高齢者も、子どもも、誰もが防災訓練をすることが重要です。支援を必要とする人が増える一方で、支援する人が減っています。誰かの指示で動くのではなく、自分でその場その場で考えて行動することが、大切です。また、身近にいる外国人住民の方や高齢者、知的障がい者、子どもなど、日本語の理解が十分でなかったり、専門用語や難しい言い回しが分からない人がおられます。やさしい日本語で伝えることを、一人一人が少し気を付けることでできる、やさしいコミュニケーションが必要になってきます。
インクルーシブ防災は、「誰一人取り残さない」を理念に全ての人に配慮しようという取り組みです。高齢者も女性も幼い子どもも障がいのある人ない人も、誰もが安全に避難し、避難先で安心して過ごせることを目指しています。
地域事情に合わせて防災対策を考え、防災を「防災だけ」のことにしない。ほかの分野やまちづくり活動にからめて考える。「支援が必要な人」と決めつけず、どうすれば自立あるいは「支援する側」に回つてもらえるかを考えるなど柔軟な発想でまちづくりをしていくことも大切です。「災害発生時」からではなく「平時」から改善する取り組みが不可欠です。課題を共有し、解決策を話し合う「場」。さまざまな防災・減災学習を行うことも必要です。防災は時代の流れに沿って変化していくことが大切だと思いました。
「災害時に問われる地域防災力~平時から取り組む多様な共同参画~」について、講師の相川さんにわかりやすく丁寧にお話いただきました。本日は、ありがとございました。本日の講座で、「災害時に問われる地域防災力」について学ばせて頂きました。参加者の皆さんありがとございました。
【参加者のアンケートより】
・老若男女が避難してくる避難所で、自身も被災者ではあるが、その中でも出来るボランティア活動を進んでやっていかないといけないと思いました。特に年配の方が多い町に住んでいるので、私たち若者世代が中心に、仲間に呼びかけ、子育て中のママや、年配の方の力になれるようにしたいので、事前にできることを考えたい。
・防災に男女共同参画の視点を・・かた苦しく考えないで、具体的な話で説明いただき、分かりやすかったです。考えているだけでなく、できることから実践していきたいと思いました。
・インクルーシブ防災の概念を基に、日頃より自分にできることは何か、また何をすべきかについて改める機会になりました。
・防災だけでなく、日常の中での人権であることを改めて感じました。
・被災後の現在の問題点の説明がとても良かったです。防災と他の課題との関連を見出すことが大事と講座で知ることができました。