人権文化のまちづくり

名張市人権センター
Nabari City Human Rights Center

2021年度人権ワークショップ課題別講座②を開催しました!!

人権課題ワークショップ課題別講座②
  「多様性社会の今こそ、子どもたちに人権教育を
     ~幼児・児童・生徒につけたい力やスキル~

 8月3日(火)午後1時30分から、講師に三重県人権教育研究協議会事務局長 堀川克法さんをお迎えして、人権ワークショップ課題別講座②を開催しました。今回も新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に取り、42名の参加者の皆さんを12のグループに組んで、ワークショップ形式で始まりました。

 まず最初にワークシート①「ものの見方・とらえ方を考えることを通して」が配られました。堀川先生から「歩行者用信号機にある人形を思い出してください。」「色や書かれている人についてみんなで考えてください」と言われました。あちこちから話し合っている声が聞えてきました。先生は「知っているつもり、分かっているつもりになっていないか」「分かっているつもりでも分かっていない自分からスタートすることが大切です。」と話されました。

 トリックアートでは、①エッシャーの滝②ルビンの壺③フレーザーの渦巻き④ミュラーリヤー錯視・ジャストロー錯覚・シェパード錯覚・エビングハウス錯視・カフェウォール錯視⑤カエルと?の絵が配られました。グループ内で、それぞれの絵を見て班ごとに感想を述べあいました。先生からは、①「自分がおかしいと思ったことを、おかしいと言える関係性を作っていくことが大事です。」②「見えない事を見えないと言える事が大事。分からないのに分かっているように振る舞うことは、そこで学びを止めてしまう。分からない時間があればこそ分かった瞬間の喜びの時間が学びの大切さです。」③「目で見て判断するのではなく、確かめる事が大切です。」④「周りの条件、違う環境の中で、ものの見方に対する丁寧さが大切です。」⑤「同じものを見ても、人によっては違ったものに見える。自分の意見と違っても、どれどれ何でとつながろうとすると関係がつながっていきます。」「ものの見方を柔軟にしていこう、そこにあるものを見ただけでなく想像していこう。」と、幼児・児童・生徒につけたい力とスキルについてお話しされました。

 ワークシート2では、切り取られた2枚の写真を1枚ずつ入った袋を各班に配られました。その写真から①場所は?②朝・昼・晩?③おとな・子ども④人数?⑤どこの国⑥何をしている?⑦背景、の中から3つの事を読み取りそれぞれの班が発表しました。その情報を基にして、自分の班の写真と同じと思われる班に移動しました。一つの班に二つの班が集まったところもありましたが、もう一度情報を聞いて考え合って、違う班に移動しました。写真を合わせてみると全ての班が合いました。皆さんうれしそうでした。「自分の情報だけでなく相手の情報も想像しながらコミュニケーションをはかることが大切なことです」とお話しされました。

  ワークシート3では、班の一人がお客さんになり残りの人は駅員さんになり、渡された両面になった地図にそって行き先までの案内をしました。ただ駅員さんの面は日本語ですが、お客さんの面は外国語で書かれていて、なかなか説明することは難しいようでした。「わからない人に説明することの難しさ、わからない事を伝えることの難しさ」「コミュニケーションの大切さ」これは、子どもと保護者と周りの人とのコミュニケーションも同じで、受け側が分からないと前に進まない。「差別される人が問題ではなくて、差別する人を作っているのは、社会や周りの人に問題があります。周りの人が変わりコミュニケーションを取っていくことが大事です。」とお話しされました。
 このように、それぞれのワークを体験しながら、人権学習をしました。

 「多様性社会の今こそ、子どもたちに人権を」について、マスクをしたままの3時間、丁寧に分かりやすく楽しく講座を進めていただいた堀川先生、本日は本当にありがとうございました。ご参加いただいた皆さんに、本日の講座で体験したワークショップでの学びを、今後に生かしていただいたらと思います。本日はありがとうございました。

【参加者アンケートより】
・講義ではなくワークショップだったので、活動を通して考えることによって、楽しみながらしっかりと学びました。今一度、自分に指を向けて、自分の教育を振り返って、見つめ直したいと思いました。2学期からの子どもの指導に生かします。
・おしつけがなくはっとする場面がたくさんあり、あっという間の時間でした。自分とは異なる校種・職種の方たちとのグループワークは新鮮で楽しかったです。自分自身の考えをまとめるよい機会になりました。
・これまで、子どもの立場にたっているつもりでしたが、自分の中の偏った見方・考え方に気づくことができました。そのことをわかっておくことが大切だと思いました。今後は、子どもたちの背景をもっと知ってどうアプローチしていくのかを考えたいと思います。
・あっなるほど!と思える研修でした。私たちの見方や関わり方で子どもが変わっていくことを感じることができました。大変よい経験をありがとうございました。
・こどもたちだけでなく、保護者にも使えるスキルとなりました。
 

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